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数学や算数の学習を,単に問題を解くだけでなく,もっと楽しく深く触れていただけるのに役立つ事柄を用意しました。

 

第4回・どんどん広がる数の世界

みなさんはいつのまにか数をあやつり,算数・数学の問題を解くときや一般生活の中で数を巧みに使いこなしています。
数学が長い歴史を経て現在に至るように,みなさんも子どもの頃から少しずつ数の世界を広げてきているのです。
小学校から中学校までの範囲で,現在の指導要領に基づいて整理すると下の表のようになります。

小学生 整数の世界 小数の世界 分数の世界
1年生 0~100まで    
2年生 ~1000まで    
3年生 ~千万の位まで    
4年生 ~兆、億の位まで 小数登場小数第1位まで 分数登場
5年生   小数第3位まで  
6年生      
 
中学校  
1年生 負の数登場正負の数、自然数
2年生  
3年生 無理数登場根号のついた数

順を追って,これらの数を紹介してみましょう。

0の発明・・・今から1300~1400 年前頃インドで発明されたといわれています。これによって,0~9 までの十個の数字で,どんな数も表すことができる(位取り記数法)ようになりました。

下のような古代エジプト数字やローマ数字では,10,100,…になるごとに新しい記号を増やしていて,不便といえます。


分数の発明・・・分数のはじまりは意外に早く,今から4000 年前のエジプトでは,すでに使われていたとされています。1 つのものを2 人で分ける,3 人で分ける,・・・ことを数字で表す必要があったのです。当然,表し方は現在とは違い,右のようなものでした。現在の2/3 のような分母と分子を-で区切る表し方に近くなったのは,1000 年程前のヨーロッパからです。


小数の発明・・・オランダのステヴィンが1585 年に出版した「十進分数論」のなかで,はじめて小数を発表しました。ステヴィンの小数の表し方は,下のようなもので,現在のように小数点を使った表し方になったのはその20 年後といわれています。



日本には,江戸時代のはじめに中国から小数の考え方が伝わりました。
このときは,下のようなもので・・・・
0.1=一分  0.01=一厘  0.001=一毛  ・・・
これが,日本で昔から金利の単位として使われていた「割」とあわさり,利子計算に
0.1=一割  0.01=一分  0.001=一厘  0.0001=一毛 …
と名づけた数が使われるようになりました。
これが,野球の打率などを表すのに使われる歩合のもとになっています。

負の数・・・中学校で負の数を学習することにより,小学校時代とは格段に数の世界が広がります。それまでは0 以上の世界だったのが,0 以下の世界も扱うのですから,単純に2 倍に広がるのです。
小学生でも,ひき算を考えるときに「3-5=?」ということを考えます。当然,昔の人も同じことを考えたので,登場も早く,紀元前200 年代の中国の「九章算術」という本には負の数が扱われていて,加減についての記述もあります。また,5 世紀頃のインドでは,すでに負債や反対方向を表すものとして使われていました。

ここまでに出てきた数は,全て,整数や分数(分数で表される小数も含む)で表される数です。これらの数を「有理数(ゆうりすう)」といいます。

無理数(むりすう)・・・1÷3 は,小数で表そうとすると,0.33333…と終わりのない小数(無限小数)になりますが,分数では1/3 と表すことができます。しかし,円周率π(3.1415…)や,面積が2 の正方形の1 辺の長さである (1.4142…)は無限小数になり,分数でも表すことができない数なのです。このような数を「無理数」といいます。この数を発見したのは,今から2500 年程前のピタゴラス派(ピタゴラスを中心とした学者の集団)です。
現在のように√を使って表したのは,17 世紀のフランスの数学者デカルトが最初といわれています。

は簡単に,実感することができます。


1c㎡ の正方形を,2 つ用意し,対角線で切って,それぞれ2 つの直角三角形にします。
できた4 つの直角三角形を組み合わせると2c㎡ の正方形ができます。できた正方形の1 辺の長さがcm です。

ここまでの数の世界が広がった経緯を,数直線を例にして説明してみましょう。


小学生の頃は数直線の0 から右側の世界しか知らなかったのです。しかも,はじめは,整数の区切りの目盛りの部分しか扱うことができませんでした。
それが,1を等分した細かい目盛りの部分を扱うことができるようになっていきました。これが,分数や小数です。
中学生になると,負の数を知ることにより,数直線の0より左側の世界を知ることになります。
中学3 年生になり,分数や小数では表すことができない数を知り,√を使った数を学習します。これによって,さらに細かい数も表せるようになったのです。
※有理数と無理数をあわせて「実数」といいます。


「√の数なんかなくても困らないんじゃないの?」なんて思っている人はいませんか? 確かに,普段の生活では√の数を意識することは少ないでしょう。しかし,何気なくひいた数直線には,今まで紹介した全ての数がつまっているのです。実は,数の世界はこれで終わりではありません。高校生になると,2 乗して-1 になる数 (虚数単位)を使った複素数(ふくそすう)の世界を知ることになるのです。本当に嘘(うそ)のような数ですが,実際に自然や宇宙を研究するのに用いられている数の世界です。人間はこれらの数を駆使し,自然や宇宙の仕組みを研究し,その真理を探ってきました。みなさんの学習している数の世界は,決して学校の勉強だけの世界ではないのです。

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