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苦手なことがあってもやり方を工夫すれば乗り越えられる! 第1回:子どもの頃も、現在も大切にしている自分のペース

いまは、夫、中1と小4の二人の息子たちとオーストラリアのパースで暮らし、日本で仕事をするという生活をしています。子どもを産んでから、自分のための時間の確保はほぼ無理とあきらめ、日本での出稼ぎ中はとにかく仕事をしていることもあり、仕事の時間が自分の時間という感覚です。そのような私ですから、スケジュール管理が完璧にできているとは思っていません。それでも社会で生きていくためにタイムマネジメントは欠かせませんから、息子たちには時間について“うるさく”言っています。いまはピンとこなくても、伝え続けることで、いつか大切なことに気づいたり、彼らの助けになったりするだろうと信じています。

子どもの頃も、現在も大切にしている自分のペース

 私自身は几帳面な面とマイペースな面とが両極端で、とてもバランスの悪い子どもでした。時間管理が非常に苦手で、自分のペースでやりたい、人に決められるのが嫌という面がありながら、人に催促されずに自分でパッパッとできるわけでなく、何かに集中すると次のことに気がいかなくなってしまうのです。勉強も時間を決めてきっちりやるのが苦手でしたから、中学受験に向けては一日の分量を決め、その日のペースや気分で順番を変えながらこなすようにしていました。そうかと思えば、受験の追い込み時期には、試験日までやるべき課題を一覧表にして壁に貼り、終わったら筆ペンで消していくという几帳面な部分もありました。

 社会に出ても、人に決められると逃げたくなるのは変わりませんでした。会社員の時は会社に8時間いなければいけないのですが、アナウンサーという仕事柄、日によっては8時間に満たない時もあるのです。だからといって、こっそり外出するのも気が引け、時間に縛られることにストレスを感じることもありました。

 ただ、世の中には時間を守ることに価値を見出すというとても強い社会通念や社会常識があり、それに基づいてお金やチャンスは動いています。私の仕事でいえば、生放送でニュースが時間からはみ出てしまう人間より、はみ出さない人間の方が重用され、能力があるとみなされます。その価値は理解できます。しかし分かれば分かるほど、私にとっての喜びはそのような職人的な部分ではなく、時間内にどれだけおもしろくできるかにあると感じていたのも事実です。そういう意味では、いまの環境はとても快適です。

 現在のスケジュール管理は、日本でのテレビ出演やイベント出演、あるいは取材に関して自分一人ではできませんから事務所にお願いしています。一方で執筆の仕事に関してはすべて自分でやっています。月ごとの分量や書くテーマなどに合わせ、今月は連載を先に終わらせよう、単発ものから手がけようなどと配分を考えながら進めています。相変わらず、集中すると寝食を忘れてしまうので、意識的に睡眠と食事をとるように心がけています。

 パースにいても執筆の分量は変わりませんが、子どもとの時間を大切にしています。それは、言葉を通して人と向き合う仕事なのに、一番近くで私を求めている息子をないがしろにするのは矛盾していると思うからです。ですから、子どもが学校に行っている時間と寝てからの時間を執筆にあてるという生活です。

小島慶子

小島慶子

1995年、TBSに入社。アナウンサーとしてテレビ・ラジオに出演。
1999年に第36回ギャラクシー賞DJパーソナリティー部門を受賞。
2010年6月、TBSを退社。以降、タレント、エッセイストとして活躍。

近著に『屈折万歳!』(岩波書店刊)
「どこにも居場所がない」「自分のことを好きになれない…」と悩む10代は多い。著者もまた人との距離をつかめず、親との関係もうまくいかず、学校でも就職したテレビ局でも空回りしては落ち込む日々を送っていた。そんな自らの屈折体験をふまえ、「いろいろあるけど人生はそう捨てたもんじゃないよ」と悩める10代の子どもたちへの応援本。