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逆境をバネに、夢をエネルギーに。子育てはいつも前を向いて! 第1回:一人の人間として扱う、そっと見守る子育て

長男の佑都がイタリア・セリエAの強豪チームであるインテルに入ってから1年半が経ちます。親の欲目かもしれませんが、最近、特に成長したなと感じるのは、技術面だけでなく精神面です。言葉も満足に通じない異国で生活し、トップクラスの選手たちとプレイすることで、メンタルな部分でも大きな壁を乗り越えることができたように思います。私の父、つまり佑都の祖父は競輪選手の第一期生で、いわば勝負師でした。やはり佑都もそのDNAを受け継いでいるのでしょうか。アスリートとしての自覚が芽生え、苦難に負けない強い心を持てるようになったことはとても頼もしく思えます。

一人の人間として扱う、そっと見守る子育て

 そんな佑都は3人兄弟の真ん中に生まれ、幼い頃はやりたい放題のやんちゃ坊主。物心つく頃には、弟の宏次郎を相手にサッカーボールを蹴って遊んでいましたね。そんな折、私は家庭内のトラブルから離婚をすることになり、シングルマザーとして2男1女を女手ひとつで育てることになりました。でも、そのことで私の子育てに、それほど大きな変化があったとは思っていません。それは離婚する以前から、私なりの子育てへの考え方をはっきりと持っていたからです。子どもというものは、生まれた時から一人の人間として扱うべき存在。つまり、子どもの人権や個性を尊重することが、子育ての基本だという信念を持ち続けていたのです。

 本来子どもたちは、のびのびと育てるべきで、親の顔色をうかがいながら行動するようではいけないのではないでしょうか。私は親が厳しかったので、「親の期待を裏切ってはいけない」と、常に緊張しているような子どもでした。思っていることも素直に告げられなかったのです。だからこそ、自分の子どもには好きなことを思い切りやらせ、言いにくいことでも気軽に相談できる親になろうと決めていました。

 私は、生活が大変な時でも、子どもたちを命令口調でとがめたり、親の権威を振りかざしたりするような態度は極力避けてきました。母親はどうしても口や手をはさみたくなるものですが、子どもと同じ目線に立って、もう一度考えてみる。危険なことや他人に迷惑をかけること以外は、やりたいことは何でもやらせてみる。我慢してそっと見守ってあげることで、子どもの自立心を育て、自分の進むべき道をしっかりと歩めるようになると思うのです。

長友りえ

長友りえ

1962年生まれ。 愛媛県西条市出身。
プロサッカー選手・長友佑都氏の母。
冠婚葬祭の司会業を勤めながら、女手ひとつで3人の子どもを育てる。
現在は、西条市の生涯環境アドバイザー。「子育て」をテーマとした講演会やトークショーを各地で開催。
近著に『心は、強くなる』(ワニブックス刊)